もうあれは20年くらい前のことだろうか。学校から帰る電車の中で、向かいにルーソ(ルーズソックス)のギャル2人組がいて、私をみながら噂をしていた。「あの子、髪とか化粧とかちゃんとしたらマシになるのに」可愛い方の子がそう言い、もう1人は興味なさそうに「えー、そう?別にそんな変わんないんじゃない?」と素っ気ない。2人はすぐに違う話題に移ったけれど、その会話は耳にしっかり届き、私は思わず俯いた。
(画像は公式FBより)
それで、一体どこで情報を仕入れてきたのかも忘れたけれど、私はCCBパリというコスメ通販に手を出した。青やグレーの瞳の白人のオネーさんたちがたくさん載っていて、肌があまりに綺麗なのにすごく驚いた。カタログにあった、肌の手入れのパックやらアンプル美容液やらをおこずかいが続く限り買いあさっていたけれど、月5000円じゃ買えるものが限られている。何千円以上は特典が、とか、送料無料とか、今とそんなにシステムは変わらないけれど、私はそれにまんまとハマっては、なぜ同じものを使っているのにこのオネーさんたちみたいに綺麗にならんのやろ、とすごく悲しかったのを覚えている。
大学生になってから、ようやく普段の手入れだけでなく、下地やコンシーラー、ファンデ、そして何よりモデルさんたちはPhotoshopの力を借りていることを知った。写真のような綺麗な肌を現実世界でも持っている人もいくらかいるけれど、必ず美容外科の力や超高級な機器やスキンケアの力を借りていることがほとんどで、実際普通の人でそこまで綺麗な人はいない。そう分かってから、なるべくきれいに見えるファンデーションを探す旅が始まった。
一番最初のファンデーションはクリニーク。母が、大学生になるからといって地元の小さい百貨店のコスメカウンターに連れて行ってくれたことがきっかけだった。確かリキッドファンデだったけれど、混合肌の私には油分が多すぎて、夕方にはドロドロになってしまっていた。
今とは違って、プチプラ化粧品がない時代。いくつかデパコスを放浪した後、ちょうど社会人になるあたりで手にしたのがKohGenDoだった。これが私の肌に合っていて、10年くらいは使い続けていたと思う。しかし、ここ2〜3年、事情がガラリと変わった。
まず、ケミカルな成分が段々肌に合わなくなってきた。ずっとつけていると、肌に痒みの出てくる日がある。また、加齢のせいでシワにファンデーションがたまったり、毛穴落ちしてくるようになった。
それで、なるべく素肌を養って、薄づきだけれどしっかりカバーもできる石鹸落ちのファンデーションを、最近よく探すようになった。まず最初はETVOSのお試しセット。これは、ミネラルコスメが気になっている人なら誰でも一度は頼んだことがあるんじゃないだろうか。ただ残念ながら、毛穴が逆に目立って私の肌には全く合わなかった。油分も余計に出るし、かさかさに乾燥もしてしまう。
そこで今回試してみたのが、アクアアクアのクッションファンデ。かねてより、クッションファンデ使ってみたいと思っていたけれど、どれも肌に悪そうなので控えていたのだ。結果としては、悪くなかった。しかし油がめちゃくちゃ浮く。化粧崩れるのが早い。
あと、色が黒い!ライトベージュを頼んだのだけれど、黒くて顔色がくすんで見える。ピンク系なら色白カラーがあるのに、イエロー系はこれが限界の明るさなのだ。もっとイエローで明るい色を出してくれてもいいのに。
ファンデーションは顔色に合わないと一番意味がないのに、こうやってサンプルじゃなくて現品しか頼めないところが多い。それで相変わらず、私はまだ通販を続けている。20年前と変わらず、架空の世界の美肌を求めて。
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